フツーに暮らしてますけど

いくつになっても「箸がころんでもおかしい年頃」のままで生きています。


日常のちょっとしたお話です。

こんな暑い日こそ雪女のお話

いよいよ梅雨明け。
夜でも暑いのはさすがにこたえる。
こんな日は冬に体験したちょっとこわい出来事を思い出し、涼しい気分になってみたい!


ということで、ある冬の日のことを。
その日も私はいそいそとご近所のタバコ屋さんへ。
行きつけのそこのタバコ屋さんは、以前は薬屋さん。
しかし、最近は大きなドラッグストアの出店により、小さな個人経営の薬屋さんに行く人は少なくなり,タバコだけ置くことにしたそうです。


そのタバコもたくさんある銘柄の中で2種類しか置いていません!
店主のこだわりかと思いきや、私ともう一人のご近所さん(誰かは知りません)が購入する2種類だそうです。
ということは、私ともう一人の誰かの為だけに毎日お店を開けてくれているということになるわけです。
それを知った私は、
「私が行かなきゃ!」
と、カンペキに選ばれし者の気持ちになってしまいました。
もう一人の誰かと私のどちらかが行くことにより、タバコ屋さんのおばちゃんが喜んでくれるにちがいない!
使命感はちょっと人をいい気分にしてみたりします。
(歩いて1分の距離ですが・・・)



その日は雪がしんしんと積もる寒い日でした。
私は雪が顔にあたらぬようにうつむきかげんで歩いていました。
タバコ屋さんの横にあるポストの隣に人影が.......
雪でしっかり見えないけど、誰かが立っている.......
こんな雪の中、傘もささずに、ボーーッと、トトロのように立っている......



真っ赤なポストに並んで、真っ白なタオルをほっかむりしている女の人でした。
結構長い時間いるらしく、タオルには雪がこんもり乗ってました。


ちょっと怖くなり、少し離れた所を通ろうとしたその時、


「アンタ!どっかで見たことある!」


と、雪女は私を指さしました。


私は見たことも会ったこともないです。
にしてもこのシチュエーション怖すぎる;;


「すみませんけど、人違いだと思います」


と、恐る恐るこたえてみました。


「アンタ!絶対どっかで会った!」
(どっかなのに、絶対っておかしくない?しかもアンタ、アンタって失礼でしょうが)


相手が雪女だろうが、もうこうなったら間違ってること気づかせるぞって決心したその時です。また雪女は叫びました。


「アンタ!〇〇病院で見たわ!!」


と、思いっきり私を指差しました。
怪談話によくあるパターンの
「おまえだーーーー!!!」
って感じで言われたら、もう終了のゴングが鳴ったも同然。
おまけに雪女、思い出せた自分を褒めるかのようにうなずきまくってました。


選ばれし者の私は、敗北感を味わいながら、タバコを買って帰宅。
すぐに、雪女が確信を得たその病院を調べてみました。



〇〇病院って、とっても有名な精神科の病院でした・・・・・。