フツーに暮らしてますけど

いくつになっても「箸がころんでもおかしい年頃」のままで生きています。


日常のちょっとしたお話です。

夏の思い出の話

もうすぐ夏がやってきます。


なつがく~ればおもいだす~♪
私の場合、おもいだすのは、学校のプールです。


今はスイミングスクールに通ってるお子さんも多いでしょうし、
泳げない子は少なくなっていると思いますが、


私の母も私の姉も、そして私も、カナヅチというステキな呼び方をされる人々でした。


私が小学3年の時、熱血感まみれの先生が
「3年生全員を25m泳げるようにするぞ!
体育の授業時間中にできなかったものは夏休みに特訓だ!」


って、さっぱり意味わからないことを自信満々で言い放ちました。


120人中20名ほどで始まった特訓。
うち15名ほどは10mぐらいは泳げる子達です。
浮くことすらできない私は、似た者同士の5名と共にグループ分けされ、
ビート板とかいう軽いくせに心強い味方を頼りに、必死にプールでもがきました。


楽しい夏休みに先生もゆっくり休めばいいものを、
私は将来漁師になりたいですと言ったわけでもないし、水の所に行かなければいいだけでしょと不満不満の日々。
絵日記は全部プールの絵になってしまいそうだし;;


練習を重ねていったある日
仲間の中の一人の女の子が、何を思ったのか、いきなり勇気を出してビート板をはなしました。
彼女浮いてます!たった一人で浮きはじめました!
しかも調子づいて必死に10mぐらい進んじゃってます!


先生は
「みんな拍手してあげましょう~」と。


私を含めた残り4人はもちろん拍手しましたが、
だれ一人心から人のことを祝福できるほどの余裕はどこにもありません。
いろんな感情を隠そうとして、みんな無表情で拍手は怖いものがありました。



翌日から、
不思議なもので仲間のうち一人でも勇気をだすと
あっという間に続いていくものらしく
最後の一人になったのはご想像どおり


私でした・・・。


見かねた泳ぎのうまい友達が、
私の練習のなかった日に教えてあげるからとプールに誘ってくれました。
嬉しいような悲しいような・・・。


そこで彼女は手をつかみ、
「足バタバタして!」
と叫びながらプールを回ってくれ、私もがんばってみました。


楽しくがんばっていたら、いきなり彼女が手を離したのです!
焦ると人は浅い所でも溺れるというのは聞きますが、
まさにその時、足が付く深さのプールでおぼれかけ、まずは沈みました。


絶対目を開けられなかった水の中なのに
予測していなかった目は、閉じることも忘れ、
私の目の前にはいろんな人の足が見えました。


「別世界だーーー!すごーい!」


あの時の感動は忘れません。


初めてスキューバダイビングをして海の魚達と触れ合う感動のように
私は水の中にあるみんなの足を見て大感動しました。


そして、目の前にある誰かの足を握ってみて、あぶなく蹴飛ばされそうになりながら水面に復活。その日のうちに浮くことができるようになりました。


こうやって水の恐怖心を克服した私は
家に帰って母に自慢気に報告。


私「お母さん!私ちょっと泳げるようになったよ^^」


母「そうなの~よかったね~^^お母さんは浮かない人だから」


そう言われたことは覚えてますが、数十年経った先日、あることが発覚。


母は、人間には水に浮く人と浮かない人の2種類があると思っていたみたいで、自分は浮かない人間だと信じていたこと・・・。


母は結構な脂肪を持っている人ですし、その辺の人よりその気になれば思いっきり浮くと思います。


浮かない人の遺伝子を受け継がせてしまったに違いないと嘆きつつ見守り、浮くことができた私を知り、お父さんの遺伝子を継いでくれて良かったと安心したそうです。


何十年もそう信じていたなんて・・・。
小学3年の私にはあの時の母の言葉をそこまで深く読み取る力はございませんでしたし^^;



おかあさん、安心してください!
おかあさん!あなたも浮きます。