雨の日の話
雨の日は嫌いではありません。
雨の音は心が落ち着く気がします。
といって、雲一つない晴天にはテンションが上がりまくるわけでもありませんが。
数年前のこと、
夜から豪雨の日でした。
明けた朝も雨で、仕事が休みだった私は、ダンナさんが出勤後にボサノバなんてかけて、コーヒーを飲んで、
「シアワセ~~」
と、のんびりのんびりしていました。
雨の音を聞きながら、お昼寝なんかもしちゃおうかな~と、計画しなくてもできることをわざわざ考えてみたりというのもしてみたり。
そこへ電話が
「うちのそばの道路がカンスイしてるぞ!!裏の川大丈夫か??」
って・・・・。
「カンスイってなんだっけ・・・・。かんすい・・・・・あ~~冠水ね^^」
冠水の漢字を思い出した瞬間、大変な事になってるということがわかりました。
我が家の裏にはけっこう大きな川があり、川と家の間に土手があります。
土手は我が家の2階床の高さになっており、
以前は土手をお散歩する人からは家の中が丸見えという、相手にすれば迷惑かもしれないサービスを行っておりました。(露出癖ではございませんが)
現在は紫陽花という強い味方により、そのサービスはなくなりましたが。
紫陽花はちょうどいい高さになり、勝手に増えて、7月はたくさんのお花を見せてくれ、家の中を隠してくれるというスゴイ植物です。
というわけで、うちの1階は川が氾濫すると、きれいに水に浸かるシステムになっているわけです。
それを踏まえて、私は裏に行きました!
土手に上がりきる前にお隣のご主人が川を見に来ているのを発見。
私に気づいたお隣さんは
「あ~こんにちは~」
と、落ち着いたご挨拶をしてくれたので、ちょっと安心。
で、ヨイショヨイショと登って、お隣さんのとなりに行きました。
「えーーーーっ!!!」
あと、5cmであふれる;;
あのご挨拶からは絶対想像できない状況。
思いっきりの予想外&想定外。
ネコ3匹連れて逃げなきゃ!
非難場所のお知らせのアナウンスが聞こえてますけど;;
あせる私にお隣さんは言いました。
「大丈夫だよ^^生まれた時からここにいるけど、ここはあふれたことがないから」
と。
あと5cmなのに、
まだ上流側を見たら橋を超えそうないきおいで流れてきてるのに。
まるでこの川の主のように、言い切るわけです。
もう、主様のお言葉信じて祈るしかない。
横を見ると川の主様は、動かずにじーーっと川の流れを見ていました。
「大丈夫です」
主様がその言葉を静かに発した数分後、
いきなり水位が下がり始めました。
スゴイ!主様!さすがです!
伊達にここで長い間住んでいたわけじゃないんですね。
私はまだ未熟者でございました。
ありがとうございました!
という気持ちで主様とお別れしました。
川があっという間に水が引き、少し落ち着いたのでご近所の様子を見に行くと、
家から100mのところまでは道路が冠水していて、流れてきたゴミの掃除をしていました。
ちょっとお話をしたら
「いや~~大変だったね~。こんなこと60年ぶりぐらいだよ。あの時は、町内全部水浸しだったからね~」
って。
え?
主様は、ここは大丈夫って・・・・
あ、主様が生まれる前にはうちのところも全部冠水してたのですね・・・
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