フツーに暮らしてますけど

いくつになっても「箸がころんでもおかしい年頃」のままで生きています。


日常のちょっとしたお話です。

シアワセにする料理

「ママお元気ですか?僕、そっちに今夜戻りますから!」


一週間前にこんな電話がきました。


30代半ばの男の子Mくん。
(私から見たら30代は男の子)


彼は8年ほど前にインドからやってきて、カレーのお店でシェフをしていました。
私は初めてそのお店を訪れて、一口食べた時に
美味しいと思ったのと同時に、


「しあわせーーーー」


と思ったのです。
食べてる間、なにかわからないけどシアワセになる味なんです。
そこのカレーはインドカレーを日本人好みの味に手を加えてあるのだと思いますが、そういうことじゃない。


シアワセになるのです。
テンションが上がる変な薬は入っていません。
コレ食べたら眠らなくても大丈夫って感じになるわけでもありません。


ただ、ほんわかとした気持ちになるものでした。


1か月後、2回目に行った時、
私が注文をすると、「前と同じ辛さでいいですか?」
といったので、そこでビックリでしたが、
その後、アフターの飲み物がたくさん種類のある中で選んだものまで覚えていたらしく、私が注文する前に


「今回もアイスコーヒーですか?^^」


と、言うので日本人もビックリ!


結構忙しいお店なので一度来た人の注文を覚えていることには感心しました。
一応言っときますが、私は奇抜なファッションではありませんし、個性的な顔立ちでもありません。


いつも思いっきりの笑顔で接客するMくんにパパさんと私は好感を持っていました。


訪れて3度目の時、遅い時間で最後の客となった私達とMくんはいろんな会話をしました。
インドにいらっしゃる家族のことや、生い立ちのこと、仕事のこと。
いろんな話をしてくれました。


そこから、ちょっと悩んだ時なんかは電話をくれるようになりました。
私は偉そうなこと言えるほど立派な人でもないので、聞くだけですが。


そのMくんが1年前、
プライベートな理由で遠くで仕事をすることになり引っ越しました。
引っ越し後もなにかあったら電話がくることがありました。


Mくんがいなくなったお店にも私達夫婦は数回行きましたが、
あの幸せな味ではないのです。
心や体が求める味じゃなくなってしまってました。
そうなると、私達も足が遠のいていきました。


他のカレー屋さんにも行きましたがあの味は見つかりませんでした。
新幹線や飛行機に乗って行ってまで、あのカレーを食べに行くこともなく、
1年が過ぎました。


M「社長からもう一度来てくれないかと電話がきました」


プライベートな問題も解決し、自分も戻れる状態だということで決めたとのこと。
戻ってきてすぐに、いろんな話をしたいとのことでしたが、
夜に着いて翌日朝からお店に出勤した為時間は取れるはずもなく、
なら、私達家族みんなで行こうとなり、Mくんに黙って訪れました。


人懐っこい笑顔で喜んでくれて私達家族も嬉しい。


そして出してくれたカレーを食べた瞬間。
私も娘も気づきました。


味が、
シアワセになる味が、
戻ってきたこと。


そこに、Mくんがやってきて、


「ママに昨日、戻るって電話した時に、味が変わったって言われたから夜に来てすぐに作りました」
と。


「一口食べてすぐにわかったよ。大変だったでしょ。何を変えた?」
と、言ったら


「ベースを変えて、愛情いっぱい入れて作りましたよ^^ママ^^」


それでしたか。
どちらも大事ですね。


また幸せになれる時間が増えることをママはとても喜んでます。
仕事に対して、手を抜かない姿勢もたくさん学ばせていただいています。


迷惑かもしれませんが僕のベストフレンドと呼ばせてくださいと言ってくれたことも有難いと思っています。


なので、20歳違いだけど、ママと呼ぶことも許します!