フツーに暮らしてますけど

いくつになっても「箸がころんでもおかしい年頃」のままで生きています。


日常のちょっとしたお話です。

応援したくなる人

1か月前、一本の営業の電話を取りました。
明るい声の女性からの電話でした。


どうもうちの会社には不要だと思ったので、即答でお断り。


2週間ぐらいたったある日、また同じ電話が。
もちろん、お断りです。


けれど、その20代~30代前半と思われる女性は


「12日から15日まで、またそちらに出張いたしますので、ご挨拶だけ伺いたいのです。お会いしていただくだけで結構ですので、是非お願いいたします。」


「前回もお断りいたしましたよね?本当に申し訳ないけど、ごめんなさい」


と言っても、元気な明るい声で


「お会いしていただきたいんです。お願いします。お仕事の邪魔にならないように伺いますので、お願いします。」


この後も断り続けたにも関わらず、
なかなかねばる。
ねちっこい話し方ではないのがいい感じのねばりかたになっている。
 納豆も程よいねばりっこさが大事。
さじ加減を心得た声と、テンポ。


オオーッ!好感度UP⤴


負けました。
このちょうどいい粘り具合の一生懸命さに。


約束日は15日の14時。(はい!昨日です)


13時30分
電話が入りました。


「本日14時の・・ゼイゼイ、お約束させていただいてましたが・・ゼイゼイ、只今○○町におりまして・・ゼイゼイ、自転車でそちらに向かって・ゼィゼィおりますが・・5分ほど遅れそうですのでゼィゼィ、ご連絡いたしました!」


じてんしゃーーーって;;気温34度、湿度85%ですよ;;


「時間なんてどうでもいいですから、ゆっくりゆっくり気をつけていらしてください!本日中に着いたらOKですから!」


思わずそうなりました。


14時過ぎ


やってきたのは、髪の毛がショートカットのスーツにリュックの若い女の子。
汗いっぱいかきながら、疲れも見せず満面の笑みで
「はじめまして!!」


と元気いっぱいにご挨拶してくれました。


「とりあえず座って休んで!暑かったでしょ;;」


もうその子見た瞬間に親戚のおばちゃんみたいになりました。


なぜこんな日に自転車で移動してるのかと聞いたら、
22歳のその子は今年入社したばかりで、まだ車を運転させてもらえないのでと。


けれど、小豆島出身で、学生時代ずっと柔道をしていたから体力には自信があるので大丈夫と笑いながら話してました。


「今日はもう10Km走りましたよ^^」


初めての仕事、社会人になったばかりの子。
もう~そんなに頑張ってるの聞いたら、おばちゃんは抱きしめたくなるじゃありませんか( ノД`)


初めて会う22歳の営業の方と抱き合ってる姿は、誰もが不思議に思う感じになってしまうので、欲求は抑えましたが。


「えらいね!でもがんばりすぎちゃだめなんだからね!自分の体を一番大事にしてね!」


と、完璧におせっかいなおばちゃんになってしまった私。
とにかくソファーでゆっくり休ませました。


前回こちらの地方に来たときは記録的な豪雨の日で、
カッパを着てレンタサイクル屋さんに行ったら、貸してもらえなくて残念だった話も聞き、また抱きしめたくなるおばちゃん。


着いただけでホッとした彼女も、またその次に行かなきゃいけない時間が迫ってきます。
またあの炎天下の中に出て行かせるのがかわいそうだけど、仕方のないこと。


せっかくきたのだからとパンフレットをもらい、5分だけ内容を聞きました。
ここで契約してあげたら、この子を喜ばせることができるとわかりながらも
不要だからと断るしかできない。


次の行くところで、契約が取れるようエネルギーを養っていってもらうことしかできない。


「ホントごめんね。絶対無理しちゃだめよ。気をつけて行ってね。」


と言うことしかできませんでした。


思いっきりの笑顔を見せながら、
不快指数80%越えの中を元気に走っていく後姿。


契約をしなかった私に大きく手を振っていってくれました。


あの子ならきっと契約とれるはず。


無理せずがんばれーーー!!